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人は皆、最後まで人間らしく、自分らしく生きたいと願っています。また、出来うることならば暖かい家族のぬくもりの中で老後を過ごしたいと思い、さらに、最後の時には、あまり苦しむことなく、できるだけ家族に迷惑をかけずに逝きたいと願っています。しかし、現実には、じつに多くの高齢者が孤独と、悲しみと、苦しみを背負いつつ、自宅や病院や施設で悶々と日々を過ごしていらっしゃいます。
開設者自身も長年の高齢障害者施設の現場にあって、このような現実を目の当たりにし、何とかしたいと思い、行き着いたのが小規模施設介護、すなわちグループホームでした。現状の大規模施設の介護にはどうしても限界があり、納得できる個別処遇はきわめて難しいとわかったからです。その結果、平成7年10月に生まれたのが、痴呆性老人グループホーム、ケアホーム「家族の家」新里です。5年間のグループホームケアの実践を通して、施設で普通の生活を実現することにより、予想以上の成果を得ることができました。
長年、おむつや抑制衣をしていた方が、普段着でトイレに行けるようになり、重度の痴呆の方も、買い物や食事のために外出したり、旅行へもいけるようになりました。不安と悲しみの表情が笑顔へと変化しました。私たちは特別な医療や看護を行った訳ではありません。その方が、お元気であれば可能だったと思われる、ごく普通の生活に、できるだけ近づけるように努力しただけです。あたり前のことですが、
朝起きたら、寝巻きを着替えて顔を洗う。髪を整え、男性ならひげを剃り、女性ならお化粧をする。食後は歯を磨く。外食へも時々出かけ、月に1回は車で遠出。散歩は天気が良ければ毎日でも。このようなことを続けていると、本来の人としての生活が生まれ、この生活が人を元気にします。このことから、痴呆をお持ちの高齢者に必要なものは、手厚い医療でも立派な施設でもなく、暖かい、人との交わりであるとご理解いただければ幸いに存じます。
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